サッカー1級審判員を目指して

競技規則の解釈や、Jリーグであった判定について、自分の審判記録などいろいろと書いていこうと思います。疑問・訂正等あればコメントよろしくお願いします。
サッカー1級審判員を目指して TOP  >  2015年12月11日

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

背番号は必要なのか

FIFAクラブワールドカップジャパン2015開幕戦、サンフレッチェ広島 対 オークランドシティを「横浜国際総合競技場」で観戦してきました。

マッチレポートはこちら
ハイライトはこちら(youtubeとFIFAのサイトでしか視聴不可のようです)


広島は3人の交代枠すべてを負傷交代で使い切るという不運に見舞われましたが、なんとか勝利しましたね。
せっかくなので、日本のクラブに頑張ってもらいたいです。



さて、審判の話題に戻りましょう。

この試合の審判団はCAFから、
主審:ALIOUM Alioum
副審:MENKOUANDE Evarist、NOUPUE NGUEGOUE Elvis Guy のカメルーントリオ
第4の審判員はCONCACAFからエルサルバドルのAGUILAR CHICAS Joel Antonioさんでした。

正直なところ、普段Jリーグで見ている審判団とは違うせいか、あれ?と思うようなシーンがいくつかありました。
基準がずれているのであれば仕方ないですが、広島の一点目はやはりオフサイドですかね・・・

まあ、判定については国際主審に向かって3級審判がどうこう言えることでもないので置いておきます。



ということで国際主審にも3級にも違いのない競技規則の適用についてのお話です。

この試合の後半40分(動画では1分54秒くらいから)、オークランドの岩田選手と広島の柏選手が接触し、岩田選手が出血するということがありました。
岩田選手のユニフォームは血で汚れてしまったためガイドライン第5条「競技者は、血液のついた衣服を身につけることは許されない。」より、着替える必要がありました。


ここで問題が起きました。

Jリーグの試合であれば代わりのユニフォームが用意されているのでそれに着替えればいいのですが、オークランドには用意がなかったのか岩田選手は背番号のないユニフォーム血液のついたユニフォームの上から着用して復帰したのです。
それに対し審判団は何も言わず試合終了までそのままでしたが、テレビ中継ではおかしいという話になっていたようですし、現地で見ていた私もあれ?と思いました。

ただ、手元に競技規則がなく(反省!)その場で確認することができなかったので帰宅してからいろいろと調べてみました。



※唐突ですがここでアンケートです。
少し間をあけて私の出した結論を書いてあるので、下のアンケートに答えてから読んでいただけるとありがたいです。

もしあなたが審判をしているときにこのような状況が起こったらどう対応しますか?
(競技規則が手元になくても現場では瞬間的に判断しなければならないので、ぜひそのつもりで回答お願いします。)






幅の都合上、選択肢の文字数が短いので補足しておくと、

「背番号があるユニフォームを着るよう命じる」とは、中に着ていれば血液は問題ない(もしくは気づかない)ので、背番号が無いことだけが問題である。という判断。

「血液のついたユニフォームを脱ぐよう命じる」とは、背番号は無くても良いが、血液のついた衣服の着用は認められていないので脱がなければならない。という判断。

「両方」とは、どちらも問題ありなので、血液のついていない背番号付きのユニフォームに着替えなければならない。という判断。

ということです。
































回答していただいた方、ありがとうございます。
それでは私の結論を。

まず、ツイッターに書いている方もいましたが、競技規則には背番号をつけなければならないということは書いてありません。

では問題はないということでしょうか?
違います。

クラブワールドカップのレギュレーション(REGULATIONS(FIFA Club World Cup Japan 2015))を見てみると、
"Throughout the World Cup, each player shall wear the number assigned to him on the final list. Such number shall be displayed on the back of each of his playing shirts and on the front of the shorts in accordance with the FIFA
Equipment Regulations. The same number may, at the participating club’s discretion, be displayed on the front of the shirt, in which case the display must comply with the FIFA Equipment Regulations."


とあります。
簡単に訳すと「クラブワールドカップでは、選手に割り当てられた番号をシャツの背中とショーツの前面にthe FIFA Equipment Regulationsに従って表示しなければならない。また、シャツの前面にも同じ番号を表示することができる」という感じでしょうか。


そして、そのthe FIFA Equipment Regulationsには
" A number must appear on the back (centred) and the front (not necessarily centred) of any shirt and on the front of any shorts used as Playing Equipment.
This art. 6 par. 2 shall not apply to the numbering on the front of any shirt used as Playing Equipment during Matches of the FIFA Club World Cup."


とあります。
こちらも簡単に訳すと「番号はシャツの背面(中心に)と前面(中心でなくてもよい)、ショーツの前面に表示しなければならない。この規定はクラブワールドカップにおいては、シャツの前面の表示に限り適用されない」という感じでしょうか。


つまり、今大会に限らずFIFA主催の試合では背番号の表示が義務付けられているのです。
ということは岩田選手は復帰してはいけなかったということになります。

しかし、競技規則では問題のないユニフォームを着ている選手を主審はフィールドの外に出すべきなのでしょうか?

私はイエスだと思います。

なぜならガイドライン第4条に
競技者は試合開始前に、交代要員はフィールドに入る前に検査される。プレー中に認められていない衣服や装身具を競技者が着用しているのを発見した場合、主審は、
・その競技者に問題となるものを外すべきと伝えなければならない。
外すことができない、またはそれを拒んだ場合は、次に競技が停止されたとき、フィールドから離れるよう命じなければならない。
・競技者が拒んだ場合やそのものを外すよう言われたにもかかわらず再び身に付けていることが発見された場合は、競技者を警告しなければならない。


とあるからです。

レギュレーションに違反しているユニフォームは「認められていない衣服」に当てはまるでしょう。
そして副審の位置から背番号がないことはすぐにわかったはずです。

また今回の場合、ユニフォームを脱ぐと血液のついたユニフォームが出てくるので脱ぐように命じることもできず、次のアウトオブプレー時にフィールドから離れて着替えるよう命じるべきだったのではないかと思います。



よって私はこの件は審判団のミスだと考えます。


残りの試合時間が短かったからか誰からも抗議はありませんでしたが、もし開始直後だったり、セットプレーの場面であったりしたら混乱を招くことになりますし、広島側から抗議があったのではないでしょうか。


また、血液のついたユニフォームを脱いでいないという点も問題ですが、一応隠れていて分からなかった可能性もあるということでより重要なのは背番号の方かと思います。

ちなみに負傷関連の競技規則も確認しておきます。

ガイドライン第5条
・競技者は、フィールド内で治療を受けることができない。
・負傷により出血している競技者は、フィールドから離れなければならない。主審が、止血を十分に確認するまで、その競技者はフィールドに復帰することができない。競技者は、血液のついた衣服を身につけることは許されない。
・ドクターのフィールドへの入場を認めたときは、競技者は担架に乗って、または歩いて、すぐさまフィールドから離れなければならない。競技者が拒んだならば、反スポーツ的行為で警告されなければならない。
負傷した競技者は、試合が再開されたのち、フィールドに復帰することができる。
・ボールがインプレー中、負傷した競技者はタッチラインからフィールドに復帰しなければならない。ボールがアウトオブプレー中であれば、負傷した競技者はいずれの境界線からであっても復帰することができる。
・ボールがインプレー、アウトオブプレーにかかわらず、主審のみが負傷した競技者のフィールドへの復帰を認めることができる。
副審または第4 の審判員によって復帰の準備ができていると確認されたならば、負傷した競技者に復帰の承認を与えることができる。


あくまで負傷によってフィールドから離れているので、復帰の許可については問題ないと思います。

以上が私の出した結論です。

アンケートで皆さんの意見も参考にしたいので是非回答お願いします。
また、間違っているなどのご指摘があればコメントもよろしくお願いします。



最後に豆知識として今回の件に関連するJFAとJリーグの規程も載せておきます。

JFAユニフォーム規程
「選手番号
・シャツの前面及び背面には、選手番号を必ず表示しなければならない。
・番号は整数の1から99を使用するものとし、0は認められない。登録選手が100名以上の場合は100以上の番号の使用が認められるものとする。ただし、公式競技会に登録する際の選手番号については、当該競技会規程に定めるところに従うものとする。」



Jリーグユニフォーム要項
「選手番号
(1) 選手番号は事前にJリーグに登録しなければならず、シーズン途中の変更は認めないものとする。
(2) ユニフォームには選手番号が以下のように表示されていなければならない。
① 選手番号は、服地と明確に判別することができる色のものとし、服地が縞柄の場合には台地をつけるものとする
(3) 選手番号は、0は不可とし、1をゴールキーパー、2~11をフィールドプレーヤーとす
る。12以降はポジションと無関係とし、50までは欠番を認める。ただし、登録選手が
51人を超えた場合は、51から連番で番号をつけることとし、欠番は認めない。」






競技規則以外の引用元のURLも載せておきます。

・REGULATIONS(FIFA Club World Cup Japan 2015)
http://resources.fifa.com/mm/document/tournament/competition/02/70/28/09/fcwcreg2015en_neutral.pdf

・the FIFA Equipment Regulations
http://www.fifa.com/mm/document/tournament/competition/51/54/30/equipment_reg_26032010_en.pdf

・JFAユニフォーム規程
http://www.jfa.jp/documents/pdf/basic/20160401.pdf

・Jリーグユニフォーム要項
http://www.jleague.jp/docs/aboutj/regulation/23.pdf



   


審判を始めたばかりの方は、これらの本が便利です。競技規則だけを読んでも分からない部分が多いかと思うので、ぜひ参考に。



にほんブログ村 サッカーブログ サッカー審判へ
にほんブログ村
スポンサーサイト
[ 2015/12/11 18:00 ] 競技規則 | TB(-) | CM(2)
プロフィール

mariref

Author:mariref
横浜F・マリノスを応援しつつサッカー1級審判員を目指して活動中の3級審判員です。

検索フォーム


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。