サッカー1級審判員を目指して

競技規則の解釈や、Jリーグであった判定について、自分の審判記録などいろいろと書いていこうと思います。疑問・訂正等あればコメントよろしくお願いします。
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物(またはボール)を投げる反則

前回の予告通り、今日は競技規則まとめ第3弾の第2弾「物(またはボール)を投げる反則」です。
(前回の記事はこちら

このブログを始めたとき、一通りルールについてはまとめたのですが第12条のガイドラインの部分については長くなるので除外していました。

その中で実際に起こった時どう対応するか迷いそうな反則です。



●物(またはボール)を投げる反則

ボールがインプレー中、競技者、交代要員、交代して退いた競技者が物を相手競技者やその他の者に対して無謀に投げつけた場合、主審はプレーを停止し、その競技者、交代要員、交代して退いた競技者を警告しなければならない。

ボールがインプレー中、競技者、交代要員、交代して退いた競技者が物を相手競技者やその他の者に過剰な力をもって投げた場合、主審はプレーを停止し、乱暴な行為でその競技者、交代要員、交代して退いた競技者に退場を命じなければならない。

プレーの再開
・自分のペナルティーエリア内に立っている競技者がペナルティーエリア外に立っている相手競技者に物を投げた場合、主審はプレーを停止し、物が当たった、または当たったであろう場所から行われる相手チームの直接フリーキックでプレーを再開する。
・自分のペナルティーエリア外に立っている競技者がペナルティーエリア内に立っている相手競技者に物を投げた場合、主審はペナルティーキックでプレーを再開する。
・フィールド内に立っている競技者がフィールド外に立っている者(誰であっても)に物を投げた場合、主審はプレーを停止したときにボールがあった位置から行われる間接フリーキックでプレーを再開する(第13条─フリーキックの位置を参照)。
・フィールド外に立っている競技者がフィールド内に立っている相手競技者に物を投げた場合、主審は物が当たった、または当たったであろう場所から行われる相手チームの直接フリーキックまたは(反則を行った競技者自身のペナルティーエリア内であれば)ペナルティーキックでプレーを再開する。
・フィールド外に立っている交代要員または交代して退いた競技者がフィールド内に立っている相手競技者に物を投げた場合、主審はプレーを停止したときにボールがあった位置から行われる相手チームの間接フリーキックでプレーを再開する(第13条─フリーキックの位置を参照)。



文字にすると分かりにくいので、また表にまとめてみました。

WS000355.jpg


要するに物が当たった場所が問題なのであって、投げた場所は関係ないということですね。
そして、"フィールド外にいる競技者以外の者"が関わった場合、間接FKになります。


ガンバ大阪の東口選手が失点後に相手に向かってボールを蹴っているということが話題になりましたが、映像を見る限り"無謀"と判断されてもおかしくないように感じるので、(インプレー中ではないですし、投げてもいないですが)この規則に当てはめると一番最初の項目になり、警告&直接FKかなと思います。(他に実際に起こった物を投げる反則が見つかりませんでした・・・)



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[ 2015/12/18 22:00 ] 競技規則第12条 | TB(-) | CM(0)

競技規則まとめ第3弾

長い間放置していました、まとめシリーズ。

今回は第3弾「プレーを停止する場合」です。

第3条、第5条に集中しているのですが、実際の試合で遭遇することが少なく意外と迷ってしまうものが多いので是非確認してみてください。

今回は、そのまま打ち込むと非常に見にくくなるので、エクセルでまとめてキャプチャをしました。
これでも見にくいかもしれませんが、それは私の能力不足です・・・


見方ですが、赤いものは少年サッカーなど環境が整っていなかったり、ルールを知らない選手がいる試合で起こりやすいであろう状況です。
緑のものは必ずしもその状況が起こった時にプレーを停止する必要が無いものです。注意の部分をお読みください。

また、再開方法や再開場所で空欄の物は状況に応じて変わるものです。(例えば、競技規則のあらゆる違反にたいして。では、直接FKの場合や間接FKの場合があります)

小さいですが、右クリックで新しいタブで画像を開く(chromeの場合)を押すと大きくなります。



WS000353.jpg


表の中にも書いてありますが、物(またはボール)を投げる反則は複雑なので、次回まとめます。


この表はすべて競技規則に書いてあるものですが、あくまで素早く確認するため、あるいは競技規則が手元に無い場合に思い出す手助けをするものなので、実際とは表現が違うことがあります。

ですのでテスト勉強などには使わず(そんな人はいないでしょうが・・・)、試合前に不安になったときなんかにメールを確認するふりでもしてこっそり見てください(笑)

試合会場で競技規則を読むのは意外と恥ずかしいですからね。
私だけでしょうか・・・?



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[ 2015/12/18 06:00 ] まとめ | TB(-) | CM(0)

背番号は必要なのか

FIFAクラブワールドカップジャパン2015開幕戦、サンフレッチェ広島 対 オークランドシティを「横浜国際総合競技場」で観戦してきました。

マッチレポートはこちら
ハイライトはこちら(youtubeとFIFAのサイトでしか視聴不可のようです)


広島は3人の交代枠すべてを負傷交代で使い切るという不運に見舞われましたが、なんとか勝利しましたね。
せっかくなので、日本のクラブに頑張ってもらいたいです。



さて、審判の話題に戻りましょう。

この試合の審判団はCAFから、
主審:ALIOUM Alioum
副審:MENKOUANDE Evarist、NOUPUE NGUEGOUE Elvis Guy のカメルーントリオ
第4の審判員はCONCACAFからエルサルバドルのAGUILAR CHICAS Joel Antonioさんでした。

正直なところ、普段Jリーグで見ている審判団とは違うせいか、あれ?と思うようなシーンがいくつかありました。
基準がずれているのであれば仕方ないですが、広島の一点目はやはりオフサイドですかね・・・

まあ、判定については国際主審に向かって3級審判がどうこう言えることでもないので置いておきます。



ということで国際主審にも3級にも違いのない競技規則の適用についてのお話です。

この試合の後半40分(動画では1分54秒くらいから)、オークランドの岩田選手と広島の柏選手が接触し、岩田選手が出血するということがありました。
岩田選手のユニフォームは血で汚れてしまったためガイドライン第5条「競技者は、血液のついた衣服を身につけることは許されない。」より、着替える必要がありました。


ここで問題が起きました。

Jリーグの試合であれば代わりのユニフォームが用意されているのでそれに着替えればいいのですが、オークランドには用意がなかったのか岩田選手は背番号のないユニフォーム血液のついたユニフォームの上から着用して復帰したのです。
それに対し審判団は何も言わず試合終了までそのままでしたが、テレビ中継ではおかしいという話になっていたようですし、現地で見ていた私もあれ?と思いました。

ただ、手元に競技規則がなく(反省!)その場で確認することができなかったので帰宅してからいろいろと調べてみました。



※唐突ですがここでアンケートです。
少し間をあけて私の出した結論を書いてあるので、下のアンケートに答えてから読んでいただけるとありがたいです。

もしあなたが審判をしているときにこのような状況が起こったらどう対応しますか?
(競技規則が手元になくても現場では瞬間的に判断しなければならないので、ぜひそのつもりで回答お願いします。)






幅の都合上、選択肢の文字数が短いので補足しておくと、

「背番号があるユニフォームを着るよう命じる」とは、中に着ていれば血液は問題ない(もしくは気づかない)ので、背番号が無いことだけが問題である。という判断。

「血液のついたユニフォームを脱ぐよう命じる」とは、背番号は無くても良いが、血液のついた衣服の着用は認められていないので脱がなければならない。という判断。

「両方」とは、どちらも問題ありなので、血液のついていない背番号付きのユニフォームに着替えなければならない。という判断。

ということです。
































回答していただいた方、ありがとうございます。
それでは私の結論を。

まず、ツイッターに書いている方もいましたが、競技規則には背番号をつけなければならないということは書いてありません。

では問題はないということでしょうか?
違います。

クラブワールドカップのレギュレーション(REGULATIONS(FIFA Club World Cup Japan 2015))を見てみると、
"Throughout the World Cup, each player shall wear the number assigned to him on the final list. Such number shall be displayed on the back of each of his playing shirts and on the front of the shorts in accordance with the FIFA
Equipment Regulations. The same number may, at the participating club’s discretion, be displayed on the front of the shirt, in which case the display must comply with the FIFA Equipment Regulations."


とあります。
簡単に訳すと「クラブワールドカップでは、選手に割り当てられた番号をシャツの背中とショーツの前面にthe FIFA Equipment Regulationsに従って表示しなければならない。また、シャツの前面にも同じ番号を表示することができる」という感じでしょうか。


そして、そのthe FIFA Equipment Regulationsには
" A number must appear on the back (centred) and the front (not necessarily centred) of any shirt and on the front of any shorts used as Playing Equipment.
This art. 6 par. 2 shall not apply to the numbering on the front of any shirt used as Playing Equipment during Matches of the FIFA Club World Cup."


とあります。
こちらも簡単に訳すと「番号はシャツの背面(中心に)と前面(中心でなくてもよい)、ショーツの前面に表示しなければならない。この規定はクラブワールドカップにおいては、シャツの前面の表示に限り適用されない」という感じでしょうか。


つまり、今大会に限らずFIFA主催の試合では背番号の表示が義務付けられているのです。
ということは岩田選手は復帰してはいけなかったということになります。

しかし、競技規則では問題のないユニフォームを着ている選手を主審はフィールドの外に出すべきなのでしょうか?

私はイエスだと思います。

なぜならガイドライン第4条に
競技者は試合開始前に、交代要員はフィールドに入る前に検査される。プレー中に認められていない衣服や装身具を競技者が着用しているのを発見した場合、主審は、
・その競技者に問題となるものを外すべきと伝えなければならない。
外すことができない、またはそれを拒んだ場合は、次に競技が停止されたとき、フィールドから離れるよう命じなければならない。
・競技者が拒んだ場合やそのものを外すよう言われたにもかかわらず再び身に付けていることが発見された場合は、競技者を警告しなければならない。


とあるからです。

レギュレーションに違反しているユニフォームは「認められていない衣服」に当てはまるでしょう。
そして副審の位置から背番号がないことはすぐにわかったはずです。

また今回の場合、ユニフォームを脱ぐと血液のついたユニフォームが出てくるので脱ぐように命じることもできず、次のアウトオブプレー時にフィールドから離れて着替えるよう命じるべきだったのではないかと思います。



よって私はこの件は審判団のミスだと考えます。


残りの試合時間が短かったからか誰からも抗議はありませんでしたが、もし開始直後だったり、セットプレーの場面であったりしたら混乱を招くことになりますし、広島側から抗議があったのではないでしょうか。


また、血液のついたユニフォームを脱いでいないという点も問題ですが、一応隠れていて分からなかった可能性もあるということでより重要なのは背番号の方かと思います。

ちなみに負傷関連の競技規則も確認しておきます。

ガイドライン第5条
・競技者は、フィールド内で治療を受けることができない。
・負傷により出血している競技者は、フィールドから離れなければならない。主審が、止血を十分に確認するまで、その競技者はフィールドに復帰することができない。競技者は、血液のついた衣服を身につけることは許されない。
・ドクターのフィールドへの入場を認めたときは、競技者は担架に乗って、または歩いて、すぐさまフィールドから離れなければならない。競技者が拒んだならば、反スポーツ的行為で警告されなければならない。
負傷した競技者は、試合が再開されたのち、フィールドに復帰することができる。
・ボールがインプレー中、負傷した競技者はタッチラインからフィールドに復帰しなければならない。ボールがアウトオブプレー中であれば、負傷した競技者はいずれの境界線からであっても復帰することができる。
・ボールがインプレー、アウトオブプレーにかかわらず、主審のみが負傷した競技者のフィールドへの復帰を認めることができる。
副審または第4 の審判員によって復帰の準備ができていると確認されたならば、負傷した競技者に復帰の承認を与えることができる。


あくまで負傷によってフィールドから離れているので、復帰の許可については問題ないと思います。

以上が私の出した結論です。

アンケートで皆さんの意見も参考にしたいので是非回答お願いします。
また、間違っているなどのご指摘があればコメントもよろしくお願いします。



最後に豆知識として今回の件に関連するJFAとJリーグの規程も載せておきます。

JFAユニフォーム規程
「選手番号
・シャツの前面及び背面には、選手番号を必ず表示しなければならない。
・番号は整数の1から99を使用するものとし、0は認められない。登録選手が100名以上の場合は100以上の番号の使用が認められるものとする。ただし、公式競技会に登録する際の選手番号については、当該競技会規程に定めるところに従うものとする。」



Jリーグユニフォーム要項
「選手番号
(1) 選手番号は事前にJリーグに登録しなければならず、シーズン途中の変更は認めないものとする。
(2) ユニフォームには選手番号が以下のように表示されていなければならない。
① 選手番号は、服地と明確に判別することができる色のものとし、服地が縞柄の場合には台地をつけるものとする
(3) 選手番号は、0は不可とし、1をゴールキーパー、2~11をフィールドプレーヤーとす
る。12以降はポジションと無関係とし、50までは欠番を認める。ただし、登録選手が
51人を超えた場合は、51から連番で番号をつけることとし、欠番は認めない。」






競技規則以外の引用元のURLも載せておきます。

・REGULATIONS(FIFA Club World Cup Japan 2015)
http://resources.fifa.com/mm/document/tournament/competition/02/70/28/09/fcwcreg2015en_neutral.pdf

・the FIFA Equipment Regulations
http://www.fifa.com/mm/document/tournament/competition/51/54/30/equipment_reg_26032010_en.pdf

・JFAユニフォーム規程
http://www.jfa.jp/documents/pdf/basic/20160401.pdf

・Jリーグユニフォーム要項
http://www.jleague.jp/docs/aboutj/regulation/23.pdf



   


審判を始めたばかりの方は、これらの本が便利です。競技規則だけを読んでも分からない部分が多いかと思うので、ぜひ参考に。



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[ 2015/12/11 18:00 ] 競技規則 | TB(-) | CM(2)

扇谷さんのナイスジャッジ

チャンピオンシップ決勝 第1戦

ガンバ大阪 対 サンフレッチェ広島

主審:扇谷健司
副審:山口博司、西尾英朗
第4の審判員:高山啓義



11月7日の鹿島戦でマリノスのCS出場が消えてから関心が無くなり、今日だということも忘れそうになっていたこの試合ですが、審判団を見ると神奈川の扇谷さんと山口さんが!

ということで急遽審判を見るために真面目に観戦することに(審判団に関係なくレフェリングに注目して観戦する予定でしたが)

メモを取っていたわけではないので、書きたいことを1つだけ。

何かというと、広島の3点目のシーン。

こちらの動画の5分5秒あたりからです

※消えてしまったので、スカパーの動画を載せておきます(2015.12.4追記)


扇谷さんが笛を口元まで持って行っているのが分かりますか?

スカパーの動画には映っていないので、キャプチャ
動画の1分7秒あたりです
WS000335.jpg

荒いですが、口元に手が近づいているのが分かると思います。


アドバンテージのシグナルはないものの、ファウルだと認識しているように感じます。

しかしここで笛を吹かなかったことで得点につながりました。
もしFKにしていたら同点の可能性もあったと考えると素晴らしい判断だったと思います。

本当のところは分かりませんが、扇谷主審のナイスジャッジ!でしょう。


自分の知る限り全く話題になっていなかったのでブログに書いてみました(笑)



ところでこういうシーンを見るといつも思うのですが、解説に審判経験者の方を呼ぶことはできないんですかね・・・
せめて試合後に解説があるとか。

元選手の解説が間違っていることが多くて、いつも残念に思います。
せっかくこんな注目度の高い(かどうかは微妙ですが)試合なので、審判にもいい意味で注目が集まると良いんですけどね。



と、こんなところです。

判定についてはtom3さんのこちらの記事とほぼ同じ意見です。

確かに試合を通して一回も扇谷さんのアドバンテージのシグナルを見ていない気がします



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[ 2015/12/03 01:33 ] 試合より | TB(-) | CM(0)

審判団とユニフォーム交換?

こんなニュースを見つけました

ネイマールがユニフォームプレゼントの申し出も拒否される! その相手とは!?




火曜日のカンボジア戦でも、試合終了直後にカンボジアの選手がユニフォームをもらいに来たことが話題になりましたが、代表戦ではよく見る光景ですよね。

記事にもある通り、ネイマール選手のユニフォームなら欲しがる選手も多いでしょう。

しかし、審判がもらうのはいけませんね。
親善試合ならまだしも、W杯予選ですし受け取った途端に世界中で八百長だと話題になるでしょう・・・

審判団としては当然の対応なわけですが、ネイマール選手はなぜ渡そうとしたんですかね?
純粋にお礼の気持ちなのか、もしかして審判服がほしかったのか!?


ユニフォーム交換があるような試合を担当することは今のところありませんが、特定のチームに肩入れしていると思われないよう行動や発言には気を付けたいですね。



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[ 2015/11/19 00:36 ] 紹介 | TB(-) | CM(0)
プロフィール

mariref

Author:mariref
横浜F・マリノスを応援しつつサッカー1級審判員を目指して活動中の3級審判員です。

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